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お米の産地として名高い新潟県魚沼郡。そのお米の旨さの秘密の一つに水が数えられます。その水の源とも言うべき場所が信濃川を挟む日本最大級の河岸段丘 “津南町”です。その段々になった土地の最上段には晩春まで雪が残り、さらにブナなどの森が水瓶の役割を果たし、絶え間なく水をたたえています。

そしてその最上段の一段下辺りに、毎年通っている山菜宝庫の“無印良品津南キャンプ場”があります。そこは、テントを張ったサイトのすぐ脇にタラの芽やウドなどが生え、天ぷら鍋に火を着けてから採取しても充分間に合うほどです。その場所に、木風舎という東京のネイチャースクールで参加者を募って行っている山菜キャンプが昨年10年目を迎えました。

その10年を記念した訳ではないのですが、このコラム連載のスタート時期でもあったのでロッジのダッチオーブンを山菜料理のメインに使ってみることにしました。そして今年も津南の山菜最盛期がやってきたので、そのメニューも紹介することにしました。

最初に手掛けたのはネマガリダケの通称“地獄焼き”。ネマガリダケは雪で押し倒され根元が曲がって生える親指くらいの太さの筍。そして地獄焼きは面倒な皮剥きをせずそのまま焚き火に入れて身の部分を蒸し焼きにして食べるというものです。


※写真にカーソルを合わせるとキャプション表示します。クリックすると写真拡大で説明が見られます。

山菜に囲まれながら、遠くに苗場山などの山並みを見渡せる我が家のサイト。<br>テント前の枝のトライポットは1点吊りの蚊帳付ハンモックで次女「結」の昼寝用。

 

参加者のおにいちゃんとワラビ摘みの長女「あかり」。本人がデート気分なので、父の私もちょっとだけ嫉妬?!

 

6月頭であるこの日の収穫。ウド・シオデ・アマドコロ・ワラビ・タラの芽など全部で十数品。この山菜で夕食・朝食・昼食をアウトドアクッキング。


ところが細いネマガリダケの場合、ホイルで包んで焼いたとしても油断すると中まで真っ黒になってしまいます。そこで今回は大量に使っていたホイルの無駄を解消し、焦がす失敗をカバーする奥の手としてコンボクッカーを使ってみました。

普通は捨ててしまうウドの葉には、食べる部分にあたるウドの身の部分の、なんと数倍以上の香りがあります。そんな葉をハーブに見立てローストポークを作ってみました。またここ津南町はブランド豚肉の生産地で、その“津南ポーク”の肩ロースを直売所で入手し、キッチンダッチを調理器具にしてウド風味のローストポークを夕食のメインディッシュにしました。

 

takenoko1

数十本のネマガリダケをコンボクッカーへ。ポイントは太さと長さをコンボに会わせ、隙間なく詰め込んでいくこと。

 

takenoko2

置き火の上にのせ、蓋の上で焚き火。30分後に水蒸気が出てきてから遠火にしてさらに20分。蓋を開けると皮目が焼けたネマガリダケが。

 

takenoko3

焦げた皮の香りが、蒸し焼きにされたネマガリダケに浸み込み、そのままでも塩を振ってもいい。最高のお酒のおつまみ。

         

chef yamada

山岳ガイドで野外料理仲間でもある山田忠彦さんが今回のスタッフ。ダッチ調理もお手の物で、この撮影も手伝ってもらっちゃいました。(山ちゃんありがとう)

 

ウドポーク1

強めの塩と胡椒を肩ロースのブロックにすり込みダッチオーヴンで表面を焼く。その後隙間にウドの葉をぎっしりと詰め込む。

 

ウドポーク2

蓋をして置き火の上にのせ、上で弱めの焚き火を50分くらい。中温計で肉の中心が60度を超えたところで蓋を開け、肉を冷ましてく。

         

ウドポーク3

焼き立てを厚切りにしても美味しかったが、冷めてから薄切りにしてからし醤油を着ける方がご飯好きの私にはよかった。

 

ウドポーク4

ダッチオーヴンに残ったウドの葉がトロトロに柔らかくなり、津南ポークの旨みも浸み込んでいて肉と一緒に食べるとこれまた・・・・。

   
 
毎回私は家族を引き連れてこの山菜キャンプに出向いています。10年前は妻と二人でしたが、6年後は3人、昨年は4人と家族の年輪を重ねるように参加できているこのキャンプは我が家の年中行事のようなものです。そして変わらぬ津南の山菜と毎年アレンジと進化をつづける山菜のレシピ。ロッジをふんだんに使った昨年のキャンプは、メニューアレンジに特別な力を貸してもらえたように感じました。
         

BE-PAL「子育てパパ長野修平の・・・」連載で毎月仕事をこなす5歳の長女の朱里(あかり)は、この津南がキャンプデビューだった。

 

姉と同じ1歳でキャンプデビューを飾った次女の結。今年は持病の手術が終わったばかりなので留守番の予定。来年は行こうね。

 

一泊二日の山菜キャンプの夕・朝・昼のメニュー。コンボ・キッチン・12インチディープの3台のロッジがこの中の8品を美味しくしてくれました。ロッジに感謝。


長野修平

長野修平(ながの しゅうへい) プロフィール

1962年北海道の山菜料理店に生まれ。
海山の自然素材や古材で様々な暮らしの道具を作る作家。山菜料理や焚火料理などにも精通し、日々の暮らしやキャンプに独自のスタイルを持つ。首都圏や地方などでワークショップや作品展示などを行なう。現在、東京西端の陣馬山麓の古民家に家族4人で暮らしながら、手作りアトリエNature Worksを中心に活動。毎年10月に向こう2軒の陶房と行う「三軒工房展」では、薪窯ピザと天然水のカフェギャラリーを開き、500人を超える来場者にアトリエを開放。新聞・テレビ・雑誌などを通じての紹介も多く、著書には「東京発スローライフ」(オレンジページ)、共著に「おとなの自然塾」(岩波書店)や「野外で役立つロープワーク入門」(地球丸)、月刊誌「BE-PAL」では「子育てパパ長野修平の青空日記」を連載中。

ホームページ:www.nature-works.jp

 
   
     
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