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久しぶりの晴れ間に恵まれました。今だ満開の八重桜と青空の下で、今日は薪を作ることにしました。ここは東京都の西端、陣馬山の麓に位置する上恩方という山間の集落で、私の暮らす古民家はそのどん詰まり。合流する2本の渓流に挟まれた岩の上に昭和30年代から建つ木造平屋の日本家屋です。

8年ほど前に東京都心から妻とともにこの家に移り住み、今は4歳と1歳の娘と4人で暮らしています。その母屋から少し上った山裾のアトリエで、これから作業をします。

4年前、もとはマスやヤマメの養魚場だった土地を借り、友人と一緒に建てたこのアトリエの小屋は、ほとんどが廃材と裏山の木を材料に約1年をかけて手作りしました。その後、2坪ほどの庭や木製のトイレ・掛け流しの水場や野外工房などを増設し今日に至っています。

小屋の名前は粒庵(つぶあん)。小さいながらも人々が集い、落ち着いた佇まいの中で過ごしてほしいという想いで名づけました。そんな粒庵を中心としたアトリエで、一番欠かせないのが薪です。

冬はマイナス10℃以下になる小屋の中では秋から春まで薪ストーブが大活躍。屋外では常設の焚火ピットが一年中みんなの憩いの場所になっています。時折火を入れる土窯のアースオーブンやレンガ積みのカマドも薪を必要とします。

数日後にアトリエでの野草料理教室を控えたこの日、冬に使いきってしまった薪を補給することにしました。昨年裏山で倒されたコウヤマキといいう針葉樹の丸太をチェーンソーで玉切りにし、斧で割っていきます。

その名から想像するように、この木は薪に向いているらしく、“切る”“割る”という手応えがちょうど杉と松の中間という感触で良く燃えてくれそうです。この薪でアースオーブンを使った野草ピザ・焚火ピットでダッチオーブンの鶏ガラ野草スープを作ろうと思っています。当日この薪は灰になりますが、みんなのお腹はきっと、いっぱいになっていることでしょう。

 

   
長野修平  
   

長野修平(ながの しゅうへい) プロフィール

1962年北海道の山菜料理店に生まれ。
海山の自然素材や古材で様々な暮らしの道具を作る作家。山菜料理や焚火料理などにも精通し、日々の暮らしやキャンプに独自のスタイルを持つ。首都圏や地方などでワークショップや作品展示などを行なう。現在、東京西端の陣馬山麓の古民家に家族4人で暮らしながら、手作りアトリエNature Worksを中心に活動。毎年10月に向こう2軒の陶房と行う「三軒工房展」では、薪窯ピザと天然水のカフェギャラリーを開き、500人を超える来場者にアトリエを開放。新聞・テレビ・雑誌などを通じての紹介も多く、著書には「東京発スローライフ」(オレンジページ)、共著に「おとなの自然塾」(岩波書店)や「野外で役立つロープワーク入門」(地球丸)、月刊誌「BE-PAL」では「子育てパパ長野修平の青空日記」を連載中。

ホームページ:www.nature-works.jp

 

  手作りのアトリエ粒庵
手作りのアトリエ粒庵
桜の木の下で丸太の玉切り
桜の木の下で丸太の玉切り
斧の重みだけで割れる薪
斧の重みだけで割れる薪
友人と作った土窯のアースオーブン
友人と作った土窯のアースオーブン
焚火ピットと我が家のLODGEたち
焚火ピットと我が家のLODGEたち
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